ゾクチェン・ケンチェン・ラジャル(別名:アブ・ラゴン)
[rdzogs chen mkhan po a bu lha sgang]

初代パトゥル・リンポチェは、ゾクチェン・ケンチェン・ラジャルがまだ少年のときに出会いました。小さいラジャルを見たリンポチェは、将来大成就者になると予言し、いくつかの重要なテキストを伝授されました。そしてシュリ・スィンハ大学に行くことを薦め、彼の教育をミパム・リンポチェとケンポ・シェンガに託しました。
ラジャルはシュリ・スィンハ大学で、全ての課程を終え、第20代の大学長を勤めるほどの大学者になられました。大学長の任期が終わると、リトリートに入られ、人生の大半をリトリートで過ごされました。人生の暮れにリトリートを出て、何人かの弟子を受け入れ、その中に後のケンチェン・デチェン・ナムドゥル(パトゥル・リンポチェ4世の最初の根本ラマ)もおられました。
そうした弟子の一人、ケンポ・ツォンドゥは、ケンチェン・ラジャルについて多くの奇跡的なエピソードを書き記しています。ケンポ・ツゥンドゥがケンチェンに出会ったとき、ケンチェンのリトリート小屋はゾクチェン寺の裏にある丘の上にありました。ケンチェンが得ていたトゥンモの成就の印として、周囲がすべて雪に覆われているにもかかわらず、丘の上にあるリトリート小屋の屋根や小屋の周りには、一切雪がありませんでした。また厳寒の真冬に毎日40個の器の水を取り替え、その水は一切、凍りませんでした。
そして、ケンチェンが遷化された際に、身体が火葬にふされると、広がっていく煙から多くの仏舎利(リンセル)が降り注いだなどです。