『普く善きわが師の口伝の教え』のコース

Course on the "Words of My Perfect Teacher" (Kun bzan bla ma'i zhal lun) 
パトゥル・リンポチェ自身による『普く善き我が師の口伝の教え』【クンサン・ラマの教え】の解説


◎リンポチェがどのようなお考えで、今回のコースを始めることに決めたのか?

パトゥル・リンポチェによれば「東京ゾクチェンセンターでは、まじめに勉強をしたい方々が増えてきた」。そしてリンポチェは「自分は真面目に仏教を学びたい人のために教えを説きたい」と言い、「日本で中途半端ではなく、まじめな形でロンチェン・ニンティクの教えが広まり、この世代のみならず、未来に生きる人々までに伝わってほしいという祈願をこめて、今回はこのコースを始めたい」そして「本当の意味での修行者を育てたい」とおっしゃていました。そのためには短い教えではなく、きちんと段階を踏んだ勉強になるよう、『普く善き我が師の口伝の教え』【クンサン・ラマの教え】のコースを始めるように薦めてくださいました。

◎コースのプラン

リンポチェのプランは次の通りです。毎年『普く善き我が師の口伝の教え』【クンサン・ラマの教え】を一章か二章リンポチェが解説してくださいます。最後までこのコースを受けると決意された方々のために、次の年に試験を行います。試験の目的は参加者に仏教の基本である聞・思・修の三原則を身につけさせることです。ですから、このテストに合格しなかったからといって落第とはなりませんが、もちろん、点数はある程度努力を反映するものなので、より高い点数の方が望ましいです。そして『普く善き我が師の口伝の教え』を全て受講し、試験を合格した方々には、特別なプログラムをリンポチェが用意しています。なお、試験はちょっと…という方には、いままで通りの自由な聴講スタイルも可能です(ただしこの場合は将来予定されている特別なプログラムへの参加はできません)。

◎テストを受けられる方へ

伝統的には、弟子が真面目に勉強すると決めたときには、ラマからなるべく直接に教えを聞くよう指導されます。リンポチェも「真面目に勉強されたい方は、やはりコースに来てほしい」と言っております。したがってテストを受けることを希望される方は、できる限り全日程を申し込んでくださるようお願い致します。もちろん、現代の日本ではさまざまな事情により、出られない日があることは理解しています。それを補助する手段として全日程を申し込んでくださった方には、コースの法話をすべての音声データで後日お渡しいたします。
ただし、少なくとも口頭伝授【ルン】が行われる日には必ず、参加するようにとリンポチェがリクエストしています。※今回は第3章のみルンが行われる予定です。試験の参加資格は口頭伝授をうけたことがある方に限ります。(パトゥル・リンポチェからの伝授が望ましいが、どうしても、都合がつかなかった場合は、他のラマから授かっている口頭伝授でもです。)※どうしても試験を受けたいが何かの事情がある方には個別に対応しますので
センターまでお問い合わせください。

◎コースの題材になっている著作について

『普く善である我が師の口伝の教え~ゾクチェン・ロンチェン・ニンティクの前行の解説~』【クンサン・ラマの教え】とは、19世紀に活躍したザ・パトゥル・リンポチェ(初代)が著しました。ゾクチェンの一体系であるロンチェン・ニンティクでは、前行の部分は同書を元に伝授されるのが普通です。

日本では『虹の階梯』が同書を元に著され、中沢新一先生はこのテキストを「まさに大乗仏教の百科全書的な趣のある書物で、無常・輪廻・解脱といった大乗仏教の基本的な世界観から、密教の瞑想技術にいたるまでを、1つの体系にまとめあげ、たくみな比喩、興味津々たる故事物語、美しい引用句をちりばめながら、その語り口はまことに縦横無尽である。ラマの口をとおしてさらに生き生きと語りだされるのに耳をすませながら、初心の弟子はいつしか大乗仏教の基礎からチャクラ・ヨーガの基本にいたるまで、自然にマスターしてしまう[中公文庫『虹の階梯』14ページ]と評されています。寺現在では、チベット仏教の4大宗派すべてで、チベット仏教の入門書として重要視されています。ダライ・ラマ猊下も、チベット仏教の入門書として読書することを推薦していらっしゃいます。

◎現在のパトゥル・リンポチェ(4世)から同書のルン(口頭伝授)やティー(解説)を受ける意味合い

初代パトゥル・リンポチェの転生者として前ニンマ派管長ミンリン・ティチェン・リンポチェに認定され、ダライ・ラマ猊下やゾクチェン・リンポチェ、さらにはペマ・カルザン・リンポチェ(ゾクチェン寺前管長)から正式に承認を受けているパトゥル・リンポチェ4世からの伝授になります。転生を確信し、認定者のお力を信じるならば、著者自身から直接伝授を受けることになるとも言えます。その意味でもこの機会は大変貴重なものです。2、また、現在のパトゥル・リンポチェの保持するクンサン・ラマの教えの伝授系譜は短く、加持力の強いものです。シュリ・スィンハ仏教大学第20代大学長ケンチェン・ラジャルが若い頃に、初代パトゥル・リンポチェ本人からその伝授を授かり、その後人生の大半をリトリートで過ごしました。人生の暮れにリトリートを終え、弟子たちにさまざまな教えを伝授されました。その弟子の中にケンチェン・デチェン・ナムドゥルがおられ、そして、ケンチェン・デチェン・ナムドゥルから、現在のパトゥル・リンポチェが授かっています。つまりその系譜は3代で、ケンチェン【偉大なケンポ】のみを通してリンポチェに流れています。

◎どうしてこの機会は貴重であるのか?

1、リンポチェはヨーロッパのシェダ で次のようなことを言われています。仏教では「見解」が重視されます。心の浄化および二資糧(福徳と智恵の資糧)を積むことによって、弟子は仏法に対する理解を得ていきます。ラマが弟子の理解、言い換えれば、弟子の見解の度合いを確認して、次のステップに進ませます。その意味では、「クンサン・ラマの教え」こそ初心者から修行が進んだ者まで、弟子の見解を磨かせるのに適切なテキストです。最近始めたばかりの者なら、当たり前のところから少しずつ内容が高度になっていくにつれて、理解の抜けを残さずに勉強できます。修行が進んた者にとっては、再度ラマの言葉に耳を傾けることによって、見逃していた微細な見解の違いに気づき、内容を分析・熟考し、腑に落ちた上で、その見解に心を慣れさせ、より見解を磨いていくことになります。

2、今回のコースはシェダ本番と同じく、1年目を受講しないと次の年のテストを受けることはできません(※自由聴講は可ですが、コース終了後の特別コースは受講できません)。リンポチェの多忙なスケジュール、またゴールデンウィーク以外まとめて休む機会が日本にはないことから、このコースを日本で再度1年目から開催することは現実的に難しいように思えます。ですから、パトゥル・リンポチェを通じてゾクチェンを学びたい方は、ぜひとも今年からの参加されることをお勧めいたします。